一つのホップの個性や特徴を楽しんでもらうシリーズ、Citraの2回目です。
前回はクリーンでバランスを重視した仕上げでしたが、今回は真逆の方向性で高いアルコール度数とRaw Ale製法で仕込むことで飲みごたえを重視する設計にしました。
take.1はこちら↓
Hop Filamnet -Citra- Take.1
アタックアロマはパッションフルーツ香に続いて、オレンジ、ライム、ミカン、グレープフルーツなど、Citraの名前をあらわすような柑橘香が折り重なって香ります。
フレイバーもパッションフルーツから始まり、アロマと同じで様々な柑橘類と甘みが続きますが、アロマよりもフレイバーに強度を感じるかも知れません。余韻には甘やかなフルーツ感と白ブドウ、Raw Aleならではの穀物感と小麦由来の白パンらしさが並立しています。
柑橘香の強さは麦芽由来の成分も関係していますが、こうした傾向は煮沸を行わないRaw Aleではより強くあらわれます。
最終比重は1.007で残糖的にはドライな仕上りですが、タンパク質由来の滑らかさが重さは感じさせない飲みやすい仕上りです。
なお、このビールも前回のHop Filament - Centennial -と同様に、IPAをつくる上では最早当たり前とされている技法の
ドライホップをしていません。
DDH(ダブルドライホップ)やTDH(トリプルドライホップ)、最近ではQDH(クアドラプルドライホップ)など、ドライホップの回数とホップの使用量を増やすことが注目され続けています。ドライホップを行うとそのホップカスをビールごと捨てなければいけないため、ホップを入れる量が増えれば増えるほど捨てなければならないビールの量も増えていきます。
このロスを減らすためメーカーでは様々な製品の開発も進んできていますが、KUNITACHI BREWERYでは当然ドライホップを否定するものではありませんし、新しい製品は取り入れて行きますが、Raw Ale製法を含めた別の方向性による香りの引き出し方と原材料のポテンシャルを活かす方法を追求していきます。