ただ醸したかった

静岡市のCRAFT BEER STATIONとのコラボレーションビール。英国系ビールに関心を寄せる店長濵田さんからの赤色のモルティなビールをというリクエストに応えてました。

モデルは新宿の名店HIGHBURYのオリジナルカスクエールの中から、SHOHOKU / RUBY MILD。

キャラメル、ナッツ、ビスケット、トースト、そしてベリーなど様々に形容できる、麦芽由来の豊かで複雑な風味。味わいのテクスチャの中には花や蜂蜜、果実味としては洋梨や青林檎、ほのかにレモン様、そして紅茶のような印象も感じられます。また炭酸は極力弱めにして、リアルエールほどではありませんがゆるゆると何杯でも飲んでいただけるように仕上げました。

また、おかげさまで根強いファンもいるBritish Style Beerの「鳥たちは峡谷に歌う」シリーズに続く、Cask Conditionを行わずにCask Condition Aleに近づけるという、無謀な挑戦をコンセプトの一つとしたビールです。

KUNITACHI BREWERYでは昨年の5月から新宿の本格英国パブの名店HIGHBURYオリジナルCask Condition Aleの一部をオーナーの安藤さんと一緒に醸造していますが、これらの仕込みを通じて勉強させてもらったノウハウもこのビールには注ぎ込みました。

Cask Condition Aleに比べると「奥深さ・奥行き」という点ではまだまだ及びませんが、低アルコールながら水っぽさは感じさせない、かと言って最終比重の示す通り残糖感のない、味わい深い一杯に仕上がっています。

かつては大人気のスタイルだったMildですが、今ではその人気は下火。古いは新しいを理念に掲げるKUNITACHI BREWERYのこのビールを通じて、このスタイルの魅力を感じていただけたら嬉しいです。