およそ200km、JR中央線が結ぶ2つの街で実現した相互コラボレーション2回目です。
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13:45 take.1
レギュラービールを大切にする2つのブルワリーがそれぞれの代表的なビールを交換して、松ブルではKölsch Styleを、くにぶるではOrdinary Bitterをつくる技術交流企画。今年も実現できました。
アロマはモルト由来のカラメル、ビスケットやトーストを軸に、紅茶、フローラル、ウッディーなニュアンスが輪郭を支え、そして奥行きにはほのかに赤いリンゴなどのフルーティなニュアンスが彩ります。フレーバーもアロマと親しくモルトの豊かな味わいから、紅茶、ウッディー、赤いリンゴとかすかなシトラス感が感じられ、モルト由来の優しい甘みがあるけれど余韻は爽やか。
今回は水質やモルト配合はそのまま。ホップ品種は変えずFuggleとStyrian Goldingのペレットを全量リーフに変更。酵母はLallemandのNottinghamから、White LabのLondon Ale Yeastに変更しました。発酵管理は勝山くんのアドバイスを参考に、酵母由来のエステルを出しすぎないように意識しました。
モルトフォワードのビールなのでFuggleとStyrian GoldingのLeaf Hopは主役ではないのですが、心地よい森林の土のような香りやウッディな香り、軽いハーブのノート、柔らかなフローラルノートとスパイシーな香り、軽い柑橘系の香りが、香りのテクスチャーを複雑にする良い仕事をしてくれました。
シンプルだけど味わい深い、去年同様そんなビールに仕上がっています。
最後に、覚えにくいと言われたビール名について。「13:45」は松本駅から国立駅へ向かう電車の出発時刻です。松ブル側で仕込んだ「9:23」は国立駅から松本駅へ向かう時刻です。それぞれの到着時刻が、それぞれのビールを美味しく飲めるシチュエーションを意識しています。
国立から松本へ、松本から国立へ、旅とビールを楽しんでもらえたら嬉しいです。