世界は点滅するモザイク模様のように / take2

海外製の飴や風船ガムのような甘い香りから、マンゴーやパパイヤといったトロピカル系の香り、タンジェリンオレンジ、そして黒ブドウ、ブルーベリー様の香りも感じられます。前回は黒ブドウやブルーベリー様の香りが強い仕上がりでしたが、今回は酵母を変えたことも影響して南国系の果実や蜂蜜、花を思わせるような味わいのほうが強く、余韻にほのかにブルーベリーを感じられます。

ベースモルトのほとんどをVienna Maltにしているのも特徴で、軽く焙燥された麦芽の芳ばしさがMosaicの持つ黒ブドウやベリー系の香り を引き立てると同時に、低いアルコール度数を補う飲みごたえを添えています。飲みごたえや口当たりという点では、糖化工程の温度を高くするという工夫もしています。

さて、ビールの魅力の一つは、100を超える多様なスタイルだと思っています。色彩、透明度、香りと味わいの個性にいたっては限りがありません。主原料だけでなく様々な副原料との組み合わせで、その多様性はさらに複雑にもなります。一方で多様性は、観る人の視点で変わ るものでもあります。様々なものを使うから多様なのではなく、そもそも個の中にも多様性は宿っています。

その多様な香りからMosaic / モザイクと命名された大人気ホップ。このシリーズは多様な香りを持つモザイクという個に注目して、 Session IPAという枠組みの中でMosaicを様々な用い方をして多様な香りを引き出し楽しみ尽くすシリーズです。Session IPAという枠組みから外れたくなったときは、様々なスピンオフバージョンも醸造してみたいと思っています。お楽しみに。