Blanche de Joyeux

醸造所を持たないファントムブルワリーの「Brouwerij te Breetschoot」こと西中明日翔くんと、名古屋は今池の名店BELGIAN BEER KITCHEN Miyabiの6周年お祝いビールをつくらせていただきました。おめでとうございます。

日本人の父親とベルギー人の母親を持つ彼は、ベルギーの醸造学校や醸造所で学んだ経験を持つ、日本では少ないベルギーに縁のある醸造士で、昨年まではKakegawa Farm Brewingのヘッドブルワーとしてベルギースタイルの美味しいビールを沢山産み出してきました。

今回のレシピは彼が起こしたものをKUNITACHI BREWERYの設備に合わせて斯波が調整しました。

一般的によく知られるBelgian Wheatとの違いはオレンジピールとコリアンダーシードを使っていない点です。花を使って欲しいというオーダーに応えて香り付けには3種類の花、カモミール、エルダーフラワー、そしてオレンジフラワーを使っています。

3種類の花はそれぞれが分かるぐらいに穏やかに主張し、その香りは酵母由来のクローブ様の香りに底上げされて上品に香ります。オレンジフラワーによる柑橘様、エルダーフラワーによるマスカット様、カモミールによる青りんご様、この3種類の花によるフルーティなニュアンスが温度と共にそれぞれ見え隠れします。

小麦麦芽と小麦フレークをつかった柔らかな口当たりと花と酵母の香りが調和していて、優しく上品な仕上がりです。

今回、KUNITACHI BREWERYでは西中くんの手ほどきで初めての容器内二次発酵に挑戦しました。二次発酵によって発生させた炭酸をそのまま瓶内に閉じ込め炭酸を付ける手法です。主な効果は2つあり、自然な炭酸付けと、二次発酵による風味向上です。

こちらのビールはBELGIAN BEER KITCHEN Miyabiでそのほとんどの量を飲んでいただくためにつくり、Miyabiの6周年イベントで先行開栓しています。自社提供およびその他の提供は少量で希少なので、見かけた方はぜひ飲んでみてください。

また、今回のイラストはイラストレーターのTOAさんが描かれたイラストのオマージュです。Miyabiで販売されるボトルはTOAさんイラストのラベル、KUNITACHI BREWERYで発売するボトルはイソガイさんのイラストラベルです。両方手に入れるのは難しいかも知れませんが、気になる方はチェックしてみてください。