天体観測

Cold IPAとはポートランドのブルワリーWAYFINDERが2018年に提唱を初めた新しいビアスタイルです。

20〜40%の米やトウモロコシを使用することで麦感を減らし相対的にドライな飲み口になります。また、同様の理由からカラメル麦芽は使いません。そして強い発酵による、とにかくドライで軽快な仕上りが求められます。ホップの強いアロマとしっかりした苦味、West Coast IPAよりもドリンカビリティの高い、よりWestなIPAというイメージを提唱されています。

KUNITACHI BREWERYはそのCold IPAをつくるにあたって宇宙を想起させる名前のホップを使用するという縛りを設けました。今回はCometとSouthern Crossの2つを使用。Cometは1974年からある比較的古いホップですが最近その個性的な風味が「ワイルドアメリカン」と再評価されアメリカでは人気が上がってきているそうです。Southern CrossはNelson Sauvinとも並ぶNew Zealand Hopの代表的な品種の一つ。

アロマはベリー、パイナップルやパパイヤ、そしてレモンが合わさった複雑なアロマ。フレイバーも甘みのあるベリー系、トロピカル系が強くパイナップルやレモンのキャンディのような甘いニュアンス、少しのダンクなニュアンスが苦味とともに余韻を引き締めます。風味のインパクトは強いですがクリーン。トウモロコシを使い麦感を減らすことでベースの麦汁組成自体をドライに、そして発酵力の強いKveikを使うことでほのかな酸味のテクスチャを加えて、よりクリスプでドリンカビリティの高い仕上りに持っていきました。

アルコール度数は7.5%と高いですがCold IPAのコンセプト通りにドリンカビリティが高く危険な仕上りです。またアルコール弱者な自分がほとんど飲めないアルコール度数の高いビールをつくってしまいました。