モノとモノ、概念と概念のあいだを意味する古語「あわい」。斯波の好きな言葉の一つですが、つまり「春のあわい」とは「冬から春、春から夏」という春の間を意味しています。春の起こり、春の盛り、春の名残に寄り添うビールです。
春のあわいはSaison Yeast固有のアロマ・フレイバーと他の原材料との調和を目指し、クラシカルなSaison Styleを意識してつくっています。前回も今回も同じフランス産のStrissel Spaltを使用していますが、前回よりも使用量は多く、その分香りも華やかです。
アロマはレモングラスやユーカリ、黒胡椒のようなフローラル・ハーバル・スパイシーな香り。フレイバーは洋梨や青りんご、熟れる前のバナナ、レモン、シトラス、少しのクローブ感。私は洋梨や青りんごらしさを強く感じますが、温度が高まるとその傾向は強くなります。
最終比重は1.006(水の比重が1.0です)で、酵母が食べられる糖はほぼ残っておらずかなり軽快な仕上がりです。しかしフレイバーに厚みがあるため水っぽくはなく、ほどよく飲みごたえもあります。しっかりとSaisonらしさはありますが、クローブ香は控え目でSaisonが苦手という人にも美味しく飲んでいただけると思います。
前作はこちら↓
春のあわい take.1
今後、環境が整ったらこのビールにブレタノマイセスを入れたバージョンのものもつくりたいと思っています。楽しみにしていてください。