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国立市の富士見台団地商店街の一角にあるシェア商店「富士見台トンネル」。忘れられている地域資源を掘ってつなげる場所として建築家の能作淳平さんが立ち上げた通称「トンネル」の5周年記念ビール。

昨年に続き、今年もビールを仕込む機会をいただき、今回で4回目の仕込みとなります。

アロマは、Raw Aleらしいナッツやマッシュルームのようなアーシーで複雑なニュアンスをベースに、マンゴーやライチといったトロピカルフルーツの香りが広がります。また、冷涼な気候や標高の高い場所で栽培されたブドウを思わせる青いハーブのような香りも感じられ、温度が上がるとバラのような香りも楽しめます。

フレーバーは、シャープで爽やかな白ワインのようなほのかな酸味が口に広がり、続いてグースベリーのようなフルーティーさが感じられます。このさっぱりとした印象の後に、和柑橘のような爽やかさと、パイナップルのようなジューシーなフレーバーが続き、柑橘系の爽やかさとトロピカルフルーツの甘さが絶妙に調和します。さらに、ほどよい苦味とRaw Aleらしいパンのような甘み、柔らかな口当たりが加わり、非常に複雑で豊かな飲み心地を実現しています。この複雑さが、ビール全体にジューシーなフルーツ感を際立たせ、飲むたびに新たな発見が楽しめる味わいとなっています。

ホップ品種はこれまで通りフランス産とニュージーランド産を組み合わせていますが、今回は5周年という節目に合わせ、ホップの選定に少し変化を加えました。Mash HopにはリーフタイプのFuggleとStyrian Goldingを加え、昨年まで使用してきたフランス産のプロトタイプホップは使用せずに、MistralとElixcirを中心に組み立て、新しい門出にふさわしくニューワールド系ホップを2種類に増やし、Nelson SauvinとRiwakaを使用しました。また、昨年同様にシェア商店である富士見台トンネルの実験的要素を表現するためにMistralのSpectrumも使用しています。全体としてホップの使用量を増やし、より深みのある味わいを表現しています。

子供のころ大好きだったおもちゃ屋だった場所に、大人になってからまた入り浸れることになるとは思ってもいませんでした。今ではレジデントDJのようになにかあれば音楽を掛けさせてもらう事も増え、私の生活に欠かせない場所の一つとなっている富士見台トンネル。

みなさんも谷保に来るときには、ぜひ富士見台トンネルに遊びにきてください。5周年おめでとうございます！！