タンジェリンオレンジ、トロピカル、ブドウ果肉のような余韻
Hop Filament - Idaho7 -
ホップフィラメント - Idaho7 -
醸造士
斯波 克幸 / Katsuyuki Shiba
一つのホップで風味付けをし、その個性を楽しんでもらうシリーズ。第二弾はアメリカ産ホップのIdaho 7 / アイダホセブン。2015年に発売されました。とにかく香気成分を豊富に持つことで知られるホップです。最新の研究論文を豊富に引用しつつ、人気醸造所Other HalfやBreak Side Brewingなどからも情報提供を受けて2018年に発刊されたNEW IPA -Scientific Guide to Hop Aroma and Flavor- という本がありますが、その著者Scott Janish / スコット・ジャニッシュ氏が最も注目するホップがIdaho 7です。
冒頭にも書きましたがIdaho7の最大の特徴はその香気成分の豊富さです。Yakima Chiefの研究結果によるとモノテルペンアルコール(リナロールとゲラニオール)、チオール(3MH)、ホップ由来のエステル(2MIB)の含有量が抜群に多く、今でも人気度の高いMosaic、Citra、Simcoeよりもさらに多いという分析があります。
アタックにはまずフローラルな印象とそして酵母由来とも思えるほのかな青りんご、洋梨様、そして温度が上がるとタンジェリンオレンジ、グレープフルーツなどの柑橘。フレイバーが複雑で、アロマと同じくタンジェリンオレンジ、続いて熟れたパイナップル、マスクメロン、アプリコットのような甘みと樹脂感、余韻にはブドウの果肉やフローラルな印象が残ります。余韻の甘い印象はあくまで香り由来のもので、糖はほとんど食べつくされたドライな仕上がりです。今回も副原料として使用したグラニュー糖は、飲み口軽快なスッキリとした仕上がりと、酵母由来の香りを少しだけ豊かにするための工夫です。
Idaho7は、くにぶるのレギュラービールの一つ「るつぼヘイジー」のメインホップで「富士見通りStruttin’」などにも使われていますが、今回シングルホップで使用して感じたのは、他の香気成分を引き立てるエンハンサー的なポテンシャルの強さです。これからも沢山使っていく予定のIdaho7。大好評だった前作のシトラと同様に苦味は控え目で、スッキリした軽快な仕上がりです!
穀物類 / Grain & Other fermentable
原料 | メーカー | 原産国 |
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Pilsner Malt | IREKS | German |
Pale Ale Malt | IREKS | German |
Munic Malt | IREKS | German |
Sour Malt(pH調整) | IREKS | German |
ホップ / Hops
原料 | メーカー | 原産国 |
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Idaho 7 | Yakima Chief | America |
酵母 / Yeast
原料 | メーカー | 原産国 |
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BRY-97 | Lallemand | Austria |
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