ジュニパーベリーの爽やかさ、Kveikとライ麦の風味が甘くフルーティな、The Raw Ale!
INDIVIDUAL ORCHESTRA #5 / take1
インディヴィデュアル オーケストラ #5
醸造士
斯波 克幸 / Katsuyuki Shiba
醸造所や醸造士以外とコラボレーションすることで、別の視点からの設計思想を融合させるというコンセプトのINDIVIDUAL ORCHESTRA。引き続きBETのSebastianとのコラボレーションです。
#5は、Raw Aleが最も盛んなエリアNorway / ノルウェーのHornindal / ホーニンダール地方でRaw Ale製法とKveikで作られている伝統的なビアスタイルのKornøl / コーンオールに近いビールづくりに挑戦しました。
KornølはNorwegian Farmhouse Aleの一種で、Kveik由来のフルーティなフレイバーとジュニパーの爽やかな香り、そしてRaw Aleならではの穀物感と甘みが特徴のフルーティなビールですが、それに近い味わいの仕上がりにできたのではないかと思います。
ジュニパーは和名をセイヨウネズ。その果実ジュニパーベリーはジンの材料として重宝されていますが、いずれも国産のものは入手困難です。
枝ともなれば余計に手に入れるのが難しく、今回はRaw Aleを始めとしたNordic Beerの専門家でもあるMika Laitinenさんが勧めるジュニパーベリーを代替品として使用することにしました。
また、アクセントに少量のローズマリーも加えています。
今回は麦芽配合も特殊でNordic Farmhouse Aleで良く使われるRye Malt / ライ麦芽も使用。麦芽全体の割合のうち30%がRye Maltという、濾過効率を考えると通常はあまり考えられない割合で使っています。Ryeはβグルカンが多く、使用量を増やせば増やすほど麦汁の粘度がとても高くなり濾過が難しくなります。
30%使用した結果、ライ麦パンやライ麦ビスケットのようなとっても芳ばし香りがする、とろとろの美味しい麦汁が採れました。
ちなみにBaird Beerの「ブルワーの悪夢」ライIPAは美味しいビールですが、その名前はRyeを沢山使うことによる濾過の難しさを皮肉ったものですよね。
使用した酵母はOpshaug Kveikで、Kveikの中ではニュートラルな香りや風味を醸す種類として知られていますが、私の中ではEnglish系の酵母と親しい印象で、蜂蜜や花、わずかに黒ブドウやプラム様の香りも持っているように思います。
ホップはNorthern Brewerを使いはしましたが、現地の仕込みにならってほとんど使用していません。
このビールの味わいに大きな影響を与えているのはOpshaug Kveikとジュニパーベリー、そしてRye Maltです。ホップ由来のフルーティな香りが圧倒的なビールが世の中を席巻していますが、ビールは麦と酵母の飲み物だと感じられるこうしたビールも楽しんでいただけると嬉しいです。
ところで、INDIVIDUAL ORCHESTRAシリーズ、実質的にBETとのコラボビールでは?というご意見があるようですが、、、私もそうかもって思い始めました。最初の仕込みからSebastianと一緒に苦労して仕込んだ、思い入れのあるシリーズ。今後も継続的にBETとのコラボレーションビールになるかも知れません。
穀物類 / Grain & Other fermentable
原料 | メーカー | 原産国 |
---|
Pale Ale | IREKS | German |
Rye Malt | IREKS | German |
Sour Malt(pH調整) | IREKS | German |
ホップ / Hops
原料 | メーカー | 原産国 |
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Northern Brewer | BayWa | German |
酵母 / Yeast
原料 | メーカー | 原産国 |
---|
WLP038 Opshaug Kveik | White Lab | America |
コラボレーション パートナー
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所属 |
セバスティアン・ホヘンタナー / Sebastian Hohentanner |
株式会社BET / BET CO., LTD. |
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