La Bière de Cérès

赤坂の名店Bois Ceresteの35周年ビールを、西中明日翔君のご縁で彼と一緒につくらせていただきました。

西中レシピをベースに、斯波がKUNITACHI BREWERYの設備に合わせた調整を行いました。主発酵は2種類の修道院系の酵母と、1種類のベルギー系酵母のブレンドパックを使って発酵させ、ケグもボトルも容器内で二次発酵をかけてナチュラルカーボネーションをしています。

アロマにはアプリコット、プラム、パイン、赤いリンゴ、カルダモン、ほのかにアニスやキャラウェイのようなニュアンスがあり、温度が上がってくるとハチミツのようなフラワリーなニュアンスも浮かび上がってきます。

フレーバーもアプリコットやプラム、黄色い桃などのストーンフルーツから、パイン飴のようなパイナップル。そして麦芽由来のビスケット、パンのような優しい甘みが、しつこくなく心地よく感じられます。　

3種類の酵母と二次発酵が織りなす、奥行きのある味わい深いビールに仕上げました。

Bois Ceresteでの初めての周年ビール。プレッシャーはありましたが、オーナー山田さんが紡いできた35年間の日常の物語の節目に華を添えるビールに仕上げることができたと思います。

「音楽のように日常に広がる」というコンセプトを掲げるKUNITACHI BREWERYとして、ジャズピアニストとしても活躍されるBois Ceresteの山田さんに、その出来上がったビールを喜んでいただけたことは、私たちにとって何よりも嬉しいことでした。

最後に西中君について紹介させてください。彼はベルギーの醸造所で研鑽を積み、日本に帰国してからはKakegawa Farm Brewing（以降KFB）で5年間醸造長を務めた経歴を持ち、日本では数少ない本格的なベルギービールをつくる醸造士です。

KFB退職後は今は斯波も籍を置く醸造に関するトータルコンサルティングを行っているBETに籍を置きながらPhantom BreweryのBrouwerij te Breetschoot（ブレ―トスコート）を立ち上げて、様々な醸造所とコラボレーションしてビールをつくり続けています。

今後も彼とのコラボレーションビールがお目見えすることがあると思います。楽しみにしていてください。