モルトの味わいとホップの華やかさを様々なKveikでまとめあげるIPAシリーズ!
北欧の申し子 -Voss Kveik -
Northern Europe's heaven-sent child -Voss Kveik-
醸造士
斯波 克幸 / SHIBA Katsuyuki also known as Shiwa
KUNITACHI BREWERYでは醸造開始当初から様々なビールを醸すのに積極的に使っている北欧の酵母群Kveik。
このシリーズはその様々なKveikを使ってお届けする、麦芽の風味もしっかり楽しめるIPAシリーズです。
ここでKveikの特徴を改めて簡単に説明しておきますが、まず一番は発酵温度。通常のAle系の酵母の発酵適温が大雑把ですが18〜21℃ぐらいだとすると、Kveikはより幅広い温度帯で発酵ができます。
Ale系の酵母が好む温度帯はもちろん、人間の体温と近い温度35〜40℃が最も適した温度帯で、この温度帯で発酵させるとAle系酵母よりも遥かに早く発酵が始まり、そして終わります。(ちなみに低い温度でも発酵はできますが、発酵速度は落ちます)乾燥環境で長らく保管されて受け継がれてきたことからも、独自の進化を遂げていてかなりタフな酵母です。
また、Kveikは他のエール系の酵母と同じで、種類によってフレイバーやアロマがそれぞれ異なるという個性派です。Belgian酵母が出すようなフェノール系の香りを出さないことも特徴です。
第一弾の北欧の申し子では柑橘系のフレイバーを醸す「Voss Kveik」を使用しています。
麦芽はViking Malt社のRed Active Maltを100%使用。この麦芽は独自の焙燥製法で酵素力を保ったままカラメル化しており、100%の使用でビールカラーを赤くできるというのが特徴でもあります。Best Malt社のRED Xと同じコンセプトの製品です。
Red Active Malt由来のアーモンド様のナッツ感やローストしたパンのような芳ばしく力強い香りに、Voss Kveikとホップ由来のフレイバーが合わさり、色の濃いビターなオレンジやグレープフルーツ様、そして松を思わせる針葉樹様の香りや樹脂感、少しですがダンクさもあります。トップノートには黒系ベリー様の香り、アンダーノートにはクランベリーなど赤系ベリーのニュアンスを思わせる風味や酸も官能できる人もいるかも知れません。
モルティだけど重くはなく、Kveik由来のほのかな酸味がクリスプで、ドリンカビリティは高い仕上りです。そして余韻はカラメル感やホップの甘いフレイバーが心地よく残ります。
最後に新作ビールということでこのビールの設計テーマを簡単に説明しておきます。
斯波はビールを設計する時に作りたいビールのイメージやストーリーに応じて何らかの縛りを設けることがよくありますが、今回は3つの縛りを設けています。
1つ目は、冒頭にも書きましたが必ずKveikを使うこと。2つ目は、Northern BrewerとWarriorというどちらかと言えば古い世代の2つのホップを既存の使用方法に縛られずに必ず使うこと。そして3つ目は、焙煎した麦芽を用いて赤みを帯びた麦芽の風味も楽しめるビールにすること。今後もこの縛りに沿ってこのシリーズは展開していきます。
すべてのイメージが自分の中ではNordic Vikingとその異能の戦士たちBerserkに集約されていくのですけど、それはまたどこかで。
穀物類 / Grain & Other fermentable
原料 | メーカー | 原産国 |
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Red Active Malt | VIKING MALT | UK |
ホップ / Hops
原料 | メーカー | 原産国 |
---|
Northern Brewer | BayWa | German |
Warrior | Yakima Chief | America |
Simcoe | Yakima Chief | America |
Simcoe Cryo | Yakima Chief | America |
Barbe Rouge | Hop Frans | France |
Centennial | Michigan Local Hops | America |
酵母 / Yeast
原料 | メーカー | 原産国 |
---|
Voss | Lallemand | Austria |
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