1926 / take28
イチ キュー ニー ロク
醸造士
斯波 克幸 / SHIBA Katsuyuki also know as SHIWA
1926は繊細なバランスを追求するKUNITACHI BREWERYの顔的なビールです。ホップと酵母の香りによるレモンやほのかな白ぶどう、青りんご様の柔らかな果実味と余韻に主張し過ぎない麦芽のニュアンスが感じられます。IPAのような突き抜けて尖った個性ではなく、全体の調和の中でドリンカビリティと飽きのこない繊細なひねりを表現することを目指しています。
今回のバッチは今までと大きく違います。というのも、今まで使い続けてきたIREKS Pilsnerが欠品したことで、別のメーカーの麦芽を使わざるを得なかったからです。選んだのはWeyermann Malt。IREKSもWeyermannも、ドイツのビール文化と麦芽製造の歴史が深く根付いているバイエルン州に拠点を構える高品質な麦芽を提供しているメーカーです。
さて、実際の味わいの変化ですが、ありました。IREKSの方が明らかに個性が強く、Weyermannの方が言うなればニュートラル。また、全く同じ工程を踏んでおり麦芽が異なる以外には変化を加えていないのですが、最終比重が今までで一番切れて、四捨五入しても1.004でした。
ここ最近のTakeではKölsch Yeast由来の香りを引き立てるために発酵温度の微調整やホップ量を減らす調整をしてきましたが、今回は思いがけず麦芽を変更することになり造り手としては結果を楽しむことができました。毎回ボトルの本数が200本ぐらいで、前後のTakeと飲み比べをするのが難しいのですが、もし機会があれば試していただけると面白いかと思います。
次回も今回の仕込みを踏まえて理想としている味わいに近づけるため再び細かい調整をしていきます。
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このビールの名前「1926」は旧国立駅舎の竣工年に由来しています。
赤い三角屋根の国立駅舎は1926年に生まれ一度解体されましたが、無くなることを惜しんだ沢山の市民の声によって2020年に復元されました。
また、国立市は南側の古い地域と北側の新しい地域が並立している2つの顔を持つ街でもあります。
Kölsch Styleは上面発酵的な華やかさと下面発酵的な飲み心地という2つの顔を持ち、伝統的でありながら、ある意味では新しさを見出す余白があることから好奇心旺盛なアメリカの醸造士たちにも人気が高いスタイルです。
こうした国立とKölsch styleの類似性に想いを寄せ、イメージを膨らませて生み出したビールが1926です。くにぶるが掲げるテーマ「古いは新しい」をかたちにした代表的ビール、くにぶるの顔的ビール1926。沢山の人に親しんでいただければ嬉しいです。
穀物類 / Grain & Other fermentable
原料 | メーカー | 原産国 |
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Pilsen Malt | Weyermann | German |
Spitz Malt | IREKS | German |
ホップ / Hops
原料 | メーカー | 原産国 |
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Heracles | BayWa | German |
Saphir | BayWa | German |
Hallertau Blanc | BayWa | German |
酵母 / Yeast
原料 | メーカー | 原産国 |
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Köln | Lallemand | Canada |
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