ALE & BOOKS & CIDER 2025|イラストレーター イソガイ ヒトヒサ
のみもの と よみもの?
醸造家が読書にあうお酒をつくり、秋の夜長を共ににしてもらう。
そんなテーマのもと、奈良醸造の呼びかけで2021年から始まったALE & BOOKS & CIDER。
4年目の今年は7つのブルワリーとサイダリーから商品がリリース。
読書をしながらお酒を嗜む、素敵な秋をお楽しみください。
KUNITACHI BREWERY からの3冊目は、KUNITACHI BREWERY のビールイラストを手がける
イラストレーター、イソガイ ヒトヒサさんからの選書、『100年後あなたもわたしもいない日に』です!
詳しくはこちらのURLから!
ALE & BOOKS & CIDER 2025
https://narabrewing.com/ale-books-cider
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『100年後あなたもわたしもいない日に』
文:土門 蘭 絵:寺田 マユミ 出版:文鳥社
この本に出会ったのは、当時とても気になる存在だった松本の藤原印刷さんのイベントに参加したときでした。「トリミング」がテーマになっていて表紙だけでなく本の中身まで切り抜かれている。
その不思議な存在感がずっと残っていて、後日購入しました。
前編詩とイラストで構成されているのだけれど、なかでも、土門蘭さんの“拓けども拓けどもまだ”というエッセイが好きです。
文章を書く人と、絵を描く自分。
やっていることは違っても、「書きたい」「描きたい」という衝動がふっと湧く瞬間や
何かを始めるときの途方もなさみたいな気持ちは、なんとなく同じところにある気がしていて。
何度も読み返しています。
詩とイラストのページはビールを片手にただ眺めているだけで満たされるような静かで贅沢な時間になります。詩は“どういう意味なんだろう?”と思いながら読んでいることも多いのですが、深く考えずどんどん読み進めるのが心地よく、読み返すとまったく違う印象で響くのが面白いです。
土門さんが別の本で語っていたのですが、デビュー当初、この本が多くの人の手に取られたのは装丁やデザインの力も大きかったそうです。ビールのラベルに関わる仕事として、僕がそう感じたように、気になる存在として手に取ってもらえるデザインをつくりたいと改めて思いました。
休日の明るい時間にGeheimと合わせてのんびり読みたい一冊です。
イソガイ ヒトヒサ
イラストレーター、ビールへの興味をきっかけに、
ラベルデザインやビアフェスのアートワークを多数手がける。